米国の100%半導体関税、中韓半導体企業は新しい布陣を加速

トランプ米大統領が輸入される半導体に対し100%の関税を課し、同時に米国内に投資する企業には免除措置を適用する方針を示した。中国の韓国の半導体企業は関税というサプライチェーンを大きく乱す大きな障壁を回避するため、新しい布陣を加速している。
トランプ大統領は米国の追加関税発表の際、「企業が米国内に建設、または建設を約束すれば完全に免除する」と強調した。これは世界のテクノロジーサプライチェーンの再編を狙ったものとみられる。
米Apple(アップル)はこれに応じて1000億米ドル(約14兆7500億円)を追加投資し、総投資額は過去最高の6000億米ドルに到達。ケンタッキー州にコーニング社との新しい専用ガラス工場を建設し、現地雇用を50%増やす計画だ。今回の政策は、輸入チップへの懲罰的関税と免除措置を組み合わせ、国内生産を促す戦略的設計となっている。
世界の半導体産業が再編の局面を迎える中、中国の半導体産業は依然として強い回復力と成長エネルギーを示している。
中国の半導体分野では、半導体受託生産(ファウンドリー)最大手の中芯国際(SMIC)が2025年第2四半期(4〜6月)に稼働率92.5%とほぼフル稼働を達成し、華虹半導体も108.3%と過去数四半期で最高水準に達した。中芯国際は第3四半期も売上が前期比5〜7%増を見込み、華虹も6.2億〜6.4億米ドルの売上を予測している。今後の焦点は新規生産能力の消化、多様な顧客基盤の構築、そして成長と利益確保の両立だ。
韓国では、サムスン電子が米電気自動車(EV)大手のTesla(テスラ)の2ナノメートル(nm)チップ受注に続き、10年ぶりにアップルのイメージセンサー供給を再開。スマートフォン「iPhone(アイフォーン)18」向けに三層ウエハー直接積層技術を採用した新型センサーを供給し、画素の小型化と干渉低減を実現する。
この動きは日本のソニーの市場優位に挑戦するものとされ、世界シェア45%のソニーに対し、サムスンは現在19%を占める。さらにサムスンはアップルやテスラ案件を足掛かりに、米半導体大手のQualcomm(クアルコム)やNVIDIA(エヌビディア)との先端プロセス開発協議も進めており、ファウンドリー事業の新たな成長局面を迎えている。



