吉利傘下のスマホ事業・星紀魅族、チップ開発から撤退か

中国の大手自動車メーカー、吉利汽車傘下のスマートフォン事業会社である湖北星紀時代科技(湖北省武漢市、星紀魅族)が半導体チップ開発から撤退するとの観測が浮上した。事実なら、中国スマホメーカーのチップ開発が相次いで暗礁に乗り上げることになる。

8日付北京毎日人物社によると、星紀魅族の事情を知る関係筋は、星紀魅族傘下の半導体チップ開発センターが解散の瀬戸際に立たされていると明らかにした。同開発センターに所属する研究者200人もリストラの危機にあるとされる。

報道によれば、星紀魅族は今年3月、グループの戦略や資金面の理由から、チップ開発からの撤退を決定。これに伴って、チップ開発センターを吉利の子会社で、インテリジェントカーの開発を手掛ける億咖通科技(ECARX)、あるいはチップ設計を手掛ける中国新興企業「万有引力(GravityXR)」のどちらかに組み入れることを検討した。しかし、チップ研究院の責任者を務める技術者がこれを拒否。開発センターの独立を試みたものの、資金調達は一貫して難航しているとされる。

星紀魅族は、吉利傘下の湖北星紀時代と、スマホメーカーの魅族科技(Meizu)の合併によって、2022年に設立された新興テクノロジー事業。スマホ、オペレーティングシステム、ウエラブル端末、スマート家電、車載システム、スマートコックピットなどの開発・製造を手掛ける。

同社は、自動車スマート化の分野でブレークスルーを実現するという吉利の野望を担う存在となってきた。車載システムの分野で技術的な進展を得たが、チップ開発から手を引けば、系列企業でチップを自前開発できる体制を築くという吉利の青写真にも陰りがみられることになる。

中国スマホメーカーのОPPO広東移動通信(広東省東莞市)も今年5月、自主半導体開発事業の中止を発表している。

星纪魅族集团

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