トヨタ・ホンダ・日産、日系3大ブランドが中国で販売失速
背景に電動化遅れか
中国自動車市場で、日本の3大ブランドの新車販売が6月は揃って失速した。トヨタ自動車が6日に発表した中国での新車販売台数は前年同月比12.8%減の17万4,500台と、3カ月ぶりにマイナス成長となった。新エネルギー車(NEV)への転換が急速に進む中、燃料車(内燃機関車)をベースとする日本車の販売に影響が及んでいる形だ。
トヨタは理由について、昨年6月に中国で自動車購入税の免税措置が導入されたことが販売を押し上げたとし、同時期のベースアップが販売減につながったと説明した。
ホンダと日産の業績も芳しくなかった。 ホンダは6月の中国での新車販売台数は19.8%減の11万3,100台、日産は28%減の6万9,100台にとどまった。
1月から6月まで半年間の販売台数は、トヨタが前年同期比2.8%減の87万9,400台、ホンダが22%減の52万9,700台、日産が24.4%減の35万8,500台だった。
日系ブランド3社は昨年から中国市場での存在感が薄れつつある。 トヨタは中国での販売台数が過去10年で初めて前年比マイナスとなり、ホンダは12.1%減、日産のマイナス幅は22.1%に拡大した。
2022年の日本車全体の中国での販売台数は、前年比10.3%減の409万2,000台。 中国における日本車の市場シェアも縮小し、22年には20%を割り込んだ。
中国自動車市場が新エネルギー車(NEV)への転換が急速に進む中、燃料車をベースとする日本車の販売が低迷する背景にあるとみられている。
電動化時代に入り、自動車購入層の意識が変化している。 中国調査会社の艾睿鉑によると、中国の自動車購買層は、自動車のスマート化やテクノロジーに高い関心を持っている。 この観点からすると、日本車は比較的保守的で、中国新興ブランドの個性的で大胆なデザインの方が好まれる傾向にあると分析している。
トヨタの22年の純電気自動車(EV)販売台数は2万4,000台に対し、同時期の中国EV大手の比亜迪(BYD)の純電気自動車販売台数は91万1,000台に達し、トヨタの約40倍となった。
■電動化戦略で巻き返しなるか
中国市場の電動化に歩調を合わせるため、日本メーカー各社は現地での研究開発(R&D)を強化し始めている。 トヨタの佐藤恒治新社長は今春、純電気自動車の開発で遅れたことを認め、中国のEV市場での落ち込みを逆転するために、中国で新しいR&D体制を確立すると述べている。
本田は今年、組織構造の調整を発表し、中国市場で100%子会社の本田技研工業と本田生産技術の合併を決定した。生産戦略企画と生産技術企画の機能を統合し、中国生産部門における本田技研工業の戦略的運営体制を強化した。
トヨタは最近、10分間の充電で最大1,200キロメートル走行可能な全固体電池技術を発表した。 実用化に成功すれば、出遅れていたEV分野で米テスラやBYDなどの競合他社との差を一気に縮めることができるかどうかに期待がかかる。