LLMで自動運転を進化へ、華為など中国テック企業も開発競争

毫末智行科技は自動車分野に特化した中国版「ChatGPT」として「DriveGPT(雪湖・海若)」を発表(同社リリースより)

対話型人工知能(AI)「チャットGPT(ChatGPT)」ブームに沸く中、その応用例として、大規模言語モデル(LLM)を活用した自動運転システムを進化させようとする開発競争が中国でも始まっている。

LLMを自動運転分野に初めて応用したのは米大手電気自動車(EV)メーカーのテスラだ。2021年8月の「AIデー」で、カメラだけの自動運転を実現したAI技術「テスラ・ビジョン」を発表した。自然言語処理の技術発展に貢献した「Transformer」と呼ばれる深層学習モデルを活用し、仮想シュミレーションで車両の真上10~20メートルで車両とその周囲を見下ろすセンシングソリューション技術「BEV」で、LLM技術が自動運転に使われる最初の事例となった。

自動運転へのLLM活用は、画像やセンサーなど複数のセッションにまたがる小さなモデルを最適化し、自動運転車の知覚を向上させるほか、生成的な事前訓練済みLLM技術を活用することで自動運転が人間の脳のような運転能力をシミュレートすることを可能にするとみられている。

騰訊網によると、北京智源人工智能研究院の黄鉄軍院長は、「LLMの搭載により、完全自動運転は3年内に実現できる」との楽観的な見通しを示している。

■中国ではテック企業が先行

中国企業では、華為技術(ファーウェイ)、百度(バイドゥ)、地平線機器人(ホライズン)といったテック企業が「BEV+Transformer」の開発に取り組んでいる。華為の先進スマート運転システム「Huawei ADS 1.0」はTransformerベースのBEVアーキテクチャを実装しているとされる。

中国の新興EVメーカー各社も相次いでLLMを活用した自動運転技術の開発に着手している。昨年からのChatGPTに代表される驚異的な生成AIの進化を受け、EVメーカーの小鵬汽車(シャオペン、広東省広州市)は、中国の電子商取引(EC)大手、阿里巴巴(浙江省杭州市、アリババ)のLLM事業部門と提携して自動運転スマートコンピューティングセンターを設立した。

中国自動車大手、長城汽車から分離・独立した自動運転技術開発スタートアップの毫末智行科技(北京市)も4月、自動車分野に特化した中国版「ChatGPT」として、「DriveGPT(雪湖・海若)」を発表。人工知能(AI)企業である商湯科技(センスタイム)は、自社開発のLLM「日日新SenseNova」を発表したが、得意とする画像認識技術と組み合わせた自動運転分野への適用も進めているとされる。

第一批!毫末成为北京市大模型伙伴观察员

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