小米がロボット会社設立、AI搭載ロボ開発へ
中国スマートフォン大手の小米科技(シャオミ、北京市)はこのほど、ロボット事業を手掛ける新会社を設立した。AI搭載ロボットなどを開発する。中国テック企業を代表する小米のロボット会社設立は、人工知能(AI)大規模言語モデル(LLM)分野への企業進出が活発化している現状と併せ、「AI+ロボット」という概念が今後、企業経営者が重視する事業戦略となっていくこと予告しているようだ。
新会社「北京小米機器人」は資本金5,000万元(約9億7,400万円)。事業内容は、AIを搭載したスマートロボットの研究開発、AI業界応用システムサービス、AI基礎リソース・技術プラットフォーム、マイクロ特殊モーター・モジュール製造。小米のシニアバイスプレジデントで、スマホ事業を統括する曽学忠氏が代表を務める。
小米は昨年、人型ロボット「CyberOne」と犬型ロボット「CyberDog」を発表した。「CyberDog」の価格はわずか9,999元と、犬型ロボットで先行する米Boston Dynamicsの最新機種「Spot」の約50分の1の価格に抑えた。
■中国で相次ぐ「AI+ロボット」への参入
小米だけでなく、中国国内では「AI+ロボット」産業への投資が相次いでいる。 小米の元幹部で、同社のテレビ事業部長などを歴任した李明氏は昨年、「AI+ハードウェア路線」に参入したと発表した。 社内テスト用に発表された卓上ロボット製品「楽天派卓面機器人」は最終段階にあり、今年5月以降に発売される予定だ。
OFweek機器人によると、米大手コンサルティングのボストンコンサルティンググループの最新レポートでは、バイオニックロボットが促すサービスロボットの世界市場は30年までに1,700億米ドル(約22兆8,820億円)に達し、産業用ロボットやアシストロボットの市場規模を大きく上回ると予測している。 一方、中国では、バイオニックロボットの市場規模は19年時点で42億5,000万米ドルにとどまり、中国市場は大きな潜在力があるとみられている。