サービス停止から4年、華為がERPを自社開発
中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ、広東省深セン市)は20日、基幹業務のデータを一元的に統合管理するためのシステム「ERP(統合基幹業務システム)」を自社開発し、「MetaERP」として、従来システムとの置き換えを完了したと発表した。
ERPはEnterprise Resources Planningの略で、企業の経営の基本となるリソース管理や計画をつかさどる。企業経営管理ソフトのなかで最も重要なシステムだ。旧ERPシステムは、ファーウェイの世界170カ国・地域と法人250社超をサポートし、1日当たり平均約76万件の受発注作業を担い、21万件の請求書発行、1,500万件の会計入力業務を担っていた。
ファーウェイは、2019年に米国の「エンティティリスト(禁輸リスト)」入りしたことにより、米国産技術を用いた対象品目の製品・サービスを獲得することができなくなった。これにより、ERPプロバイダーからもサービスの停止を通達され、同社の基本業務は麻痺寸前に陥った。
ファーウェイは2020年年初に「MetaERPプロジェクト」を立ち上げた。3年間に数千人を投入し、クラウド環境で使用できるERPの自社開発に漕ぎつけた。21年9月、海外で「MetaERP」を試験運用し、マレー子会社の販売・サービス事業での切り替えを実施。22年7月にファーウェイとその他の中核企業の製造・研究開発(R&D)での置き換えを完了した。現時点で、MetaERPはファーウェイのビジネスの100%、業務量の80%をカバーしているという。
ファーウェイの取締役兼品質・プロセスIT管理部総裁の陶景文氏は、「ERPを始めとする企業業務・管理の中核システムのサービス停止という局面に立たされ、我々はその封鎖を突破し、生き残ったと、今こそ宣言できる」と述べた。