BYD、シンガポール初のL4自動運転バス事業を受注
中国企業コンソーシアムが海外公共交通システムで採用へ

中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD、広東省深セン市)は11日、同社の商用車部門がシンガポールの自動運転バス・サービス実証プロジェクトで入札を勝ち取り、同国初のL4(特定の条件下で完全自動運転)レベルの自動運転バス事業を受注したと発表した。
今回の事業は、シンガポール陸路交通庁(LTA)が主導する国家プロジェクトで、BYDの自動運転バスが初めて海外の公共交通システムに正式導入されるケースとなる。BYDのほか、MKX Technologies、蘑菇車聯(MOGO×)の3社コンソーシアムで共同受注した。
LTAは「グリーントランスポート」「カーボンニュートラル」目標の実現に向け、すべて電動駆動バスを採用することを条件としている。
計画によると、2026年半ばをめどに、ワン・ノース付近を走る191番路線およびマリーナベイ~シェントン通り間の400番路線で無人運転バスの運行試験が始まる予定。試験運行中は、定員16人の車両が一般バスと同額の運賃で運行されるという。
シンガポールの公共バス調達は、世界でも最も厳格な基準と技術要件を課すことで知られている。LTAは今回の発表で、入札企業には混在交通環境下や遠隔運行での自動運転バス実績が求められたことを明らかにした。
BYDは「自動運転バスの実現には車両構造と技術プラットフォームの高い適合性が不可欠で、電子センサー、演算性能、反応速度など、車両そのものの完成度が安全性を左右する」と説明している。



