聯発科技の次世代プロセッサ「天璣9500」、新NPUでAI性能が倍増

次期モバイル向けプロセッサ「天璣9500」および「天璣9400+」によってフラッグシップ向けチップ分野での競争力を高めた台湾のファブレス半導体設計企業、聯発科技(MediaTek)が、9月下旬に発表予定の次世代フラッグシップSoC「天璣9500」でさらなる飛躍を狙う。最新情報によれば、新NPU(ニューラル処理ユニット)アーキテクチャの採用でAI(人工知能)演算性能が前世代比2倍に拡大し、加えて初めて「ストレージ・コンピューティング一体化」技術を導入。モバイル端末のAI体験に大きな進化をもたらすとみられている。
中国の著名ITブロガーによると、天璣9500は新設計のIPハードウェアアーキテクチャを採用したNPUを搭載し、AI算力が飛躍的に強化。これによりフラッグシップスマホにおけるAI機能革新の基盤を提供するという。さらに、演算と記憶を効率的に協調させる「ストレージ・コンピューティング一体化」構造を導入することで、処理速度の高速化と大幅な省電力化を両立。スマホ向けチップとしては初の量産化が期待されている。
強化されたAI性能により、端末メーカー各社は天璣9500搭載機種で新たなAI機能を準備中とされる。例えば、システムの進化による精度の高いワンタッチAI操作、マルチモーダルAIによる自然な対話、音声一言での注文や価格比較、文書生成などが可能に。加えてカメラ機能もAIの深い介入によってさらなる進化を遂げ、静止画・動画撮影性能の飛躍が見込まれる。
GPU(画像処理半導体)性能も大幅に向上し、前世代比で40%以上の効率改善、レイトレーシング性能は40%以上強化されるという。今年の新機種では光線追跡によるゲームフレームレートが100FPS超に達する可能性もあり、英ARMの最新GPU「Drage」の性能を最大限に引き出す設計となっている。
AI算力の倍増と「黒科技」と称される革新技術の採用により、天璣9500は単なるハードウェア進化を超え、モバイルAI体験を一気に加速させる存在になり得る。フラッグシップスマホは単なる性能競争から脱却し、本格的な「知能型アシスタント」かつ「創造性を支えるツール」として進化し、競合に対して優位を築くことが期待されている。



