小米EV「SU7 Ultra」大売れ、国産化率高くサプライヤーにも利益

中国スマートフォン大手の小米集団(シャオミ)が2月28日に発売した高級電気自動車(EV)「SU7 Ultra」は、販売開始わずか10分で予約が6900台を超え、2時間で1万台を突破して、年間の販売目標を達成するという驚異的な記録を叩き出した。同車に採用される部品は国内から調達する「国産化」の程度が比較的高く、シャオミの雷軍最高経営責任者(CEO)は、「シャオミ車人気は、サプライヤーにも利益をもたらす」と述べた。愛集微が6日伝えた。
「SU7 Ultra」の正式な販売価格は52万9900元(約1100万円)からで、予約販売価格の81万4800から28万5000元も値下げされた。雷CEOは、「シャオミを支持するより多くの消費者の手に届く価格に設定した」と述べた。
「SU7 Ultra」はスーパーカーに属し、競合車はテスラの「Model S Plaid(64万8900~81万4900元)」やポルシェの「Taycan Turbo S(89万8000~199万8000元)」など。雷CEOの言葉を借りれば、「性能はポルシェと肩を並べ、テクノロジーはテスラに迫り、ラグジュアリー感はBBA(ベンツ、BMW、アウディ)と遜色ない」。
寧徳時代(CATL)の高性能電池「麒麟電池(Kirin battery)」の第2世代を搭載し、充電レートは5.2C、最大航続距離は630キロメートルを実現した。次世代パワー半導体のSiC(シリコンカーバイド、炭化ケイ素)を採用しており、SiC電気駆動モジュールは、自動制御製品メーカーの深セン市匯川技術の子会社である滙川聯合動力が供給する。
ただし、滙川聯合動力はドイツの半導体大手のインフィニオンテクノロジーズからSiC-MOSFETチップを調達しているとみられるほか、スマートコックピットに関しても、クアルコムの「Snapdragon 8295」や、米NVIDIA(エヌビディア)の最新自動運転スマートチップ「Orin」を採用するなど、半導体技術は依然として海外メーカーから供給を受ける。
中国の高級車市場において、販売価格が50万元を超える国産EVブランドは、「SU7 Ultra」を加えて27ブランドが存在する。うち、現行販売モデルの最高価格は、広州汽車集団傘下の広汽埃安新能源汽車(GAC AION)が販売する「Hyper SSR」で168万6000元。BYD(比亜迪)傘下の仰望汽車(Yangwang)が販売する「U9」が168万元で続く。江汽集団と華為(ファーウェイ)の共同ブランド「尊界」の「尊界S800」、BYDの高級サブブランド「仰望(ヤンワン)」の「仰望U8」も価格が100万元を超える高級EVに属する。