タイ、同国初のSiCウエハー工場建設へ 115億バーツ投資
タイの投資委員会はこのほど、タイに拠点を置く電子機器製造サービス会社のHana Microelectronics PCL(ハナ・マイクロエレクトロニクス)とタイのエネルギー最大手、PTTグループの合弁会社、FT1 Corporationが、タイ北部のラムプーン県に115億バーツ(約510億6000万円)を投資して同国初の炭化ケイ素(SiC)ウエハー工場を建設することを認可したと発表した。電気自動車(EV)産業を育成する政策を後押しするとみられている。
新工場は、2027年第1四半期(1〜3月)に稼働する予定だ。電気自動車(EV)やデータセンター、蓄電池などSiCパワーデバイスの需要拡大に対応する。
タイ投資委員会のNarit Therdsteerasukdi事務局長は9月20日、代表団を率いてランプーン県を訪れ、主要なウエハー製造投資プロジェクトの進捗状況を視察した。
SiCパワーデバイスはエネルギー損失が少なく、高温・高電圧での動作が可能なため、EVにとって不可欠となっている。航続距離を延ばし、充電時間を短縮し、車載電池の小型化にもつながる。
タイ政府は近年、EVの普及を積極的に推進しており、現地でのEVサプライチェーンの確立を目指している。タイ政府は、特に中国の自動車メーカーを誘致し、国内に製造工場を設置するようさまざまな優遇措置を実施している。