中国で「LiDAR」低価格化へ、主要3社が原価目標設定

(速騰聚創科技のリリースより)

自動運転の目と呼ばれる高性能センサー「LiDAR」を巡り、中国メーカーが低価格化に鼻息を荒くしている。このほど主要3社が相次いでLiDARの目標原価を定めた。

深セン市速騰聚創科技(広東省深セン市、Robosense)は15日、次世代の中長距離LiDAR「MX」を発表した。原価は200米ドル(約3万0980円)を切る水準で、2025年上半期の量産を目指すとしている。

「MX」は、厚さが25 mmと硬貨の直径ほどで、フロントガラスやルーフ、ヘッドライト、フロントグリルなどに搭載できる。10W以下の消費電力を実現するとともに、音振動をなくした。最大測定距離は200 mで、視野角は120度×25度。「M-Core」チップのマザーボードの面積や消費電力を大幅に引き下げることでコストを低減したという。

一方、華為の輪番会長は18日、「自社開発を進めるLiDARのコストを将来的に200米ドルに削減し、コスト問題を解決する」と述べた。

自動運転車の“三種の神器”と言われる「カメラ」「ミリ波レーダー」「LiDAR」について、華為はどのセンサーもメリットとデメリットがあるとの見方から、カメラとLiDARを一体化させた製品を開発する融合案と、LiDAR単体の開発を進める案を並行して進めている。

(禾賽科技のリリースより)

さらに上海禾賽科技(Hesai)は19日、第4世代チップ・アーキテクチャーに基づく超広角遠距離LiDAR「ATX」を発表した。性能とコストを両立させたことを強調し、「自動運転レベル2+」に対応するとしている。

ATXは、3D積層技術を採用し、従来は4枚のコアチップを必要とした機能を1枚で実現した。これにより前世代モデルと比べて体積を60%縮小すると同時に、性能を高めた。小型化により、ルーフに組み込む際の空気抵抗を減らせるほか、ヘッドライトやフロントガラスなどより多くの場所に設置できるようになった。最大測定距離は500m。

Hesaiは、2024年から25年の間にATXの目標原価を達成できる見通し。集積化MEMS技術がコスト削減の主要手段になるとみられる。

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