セミコン・チャイナ、SiC市場に脚光
半導体製造装置・材料の国際見本市「SEMICON China(セミコン・チャイナ)」が3月20日〜22日の3日間、上海市内の上海新国際博覧中心で開催された。会場では、第3世代と位置付けられる炭化ケイ素(SiC)パワー半導体のサプライチェーン企業60社余りが出展し、脚光を浴びた。
半導体分野で世界最大規模の展示会となるSEMICON Chinaはこれまで、第1世代半導体の基板となるシリコンが主役となってきたが、今年はSiCパワー半導体向けの製造装置・材料を展示するブースが設けられ、注目を集めた。
展示製品は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置、イオン注入装置、基板、エピタキシャルウエハーなど。SiC基板大手の山東天岳先進科技は、6インチ、8インチのSiC基板を出展した。
同社の宗艶民董事長は、今年も引き続き生産能力を増強していくと述べた。SiC基板材料の供給能力は足元で不足しており、パワー半導体メーカーは基板メーカーとの長期契約締結に積極的だ。山東天岳先進科技(SICC、山東省済南市)はある顧客企業と、23~25年の3年間で13億9300万元(約292億3400万円)規模の供給契約を結んだ。
25日付上海証券報によると、2023年の導電性SiC基板の企業別シェアランキングで、天岳先進科技は米Coherent(コヒレント)を抜いて世界第2位に躍進した。
SiCは足元で、電気自動車(EV)が主な応用市場だ。半導体関連の市場調査会社であるInSemi Researchの徐可チーフエコノミストによれば、22年に35億4000万元だった中国の車載向けSiCパワー半導体市場規模は28年に221億6000万元へと拡大する見通しで、年間平均36%のハイピッチ成長が見込まれている。