Omdia:車載用CSD市場でインセルタッチTFT LCDが主流に、2025年には出荷シェア50%超に達する見込み
ロンドン、2024年3月6日 /PRNewswire/ 最新のOmdiaの調査によれば、カーナビなどを表示・操作する車載用「センタースタックディスプレイ(CSD)」の出荷台数はCSDの標準搭載化が進んだことで数量の伸びが鈍化傾向にあるものの、その中でインセルタッチ(タッチ機能内蔵)型TFT LCDの出荷は引き続き増加傾向にあり、2023年は2,620万台:CSD全体の35.1%を占め、更に2025年には50%を超える勢いで成長するものと予想しています。
タッチパネル機能を統合し付加価値が向上することから、ディスプレイメーカーはインセルタッチ型TFT LCDを積極的に拡販しています。タッチ操作が基本となるスマートフォンやタブレット向けに先行したインセルタッチ型TFT LCDは、2023年にスマートフォンに向けTFT LCD出荷全体の55.2%、タブレット向けには45.1%に達するなど普及が浸透してきました。その後を追って商品開発期間が長い車載(主にCSD)用タッチ・スクリーンにもインセルタッチ型TFT LCDは出荷を拡大しており、そのシェアは2021年の11.7%から2022年には25%、さらに2023年には35.1%へ急成長しています。
この急成長は、静電容量方式のタッチパネル専業メーカーの存在をも脅かしています。当初TFT LCDと別体で設計され、後に貼り合わされていた車載用タッチパネルは、2021年の車載用タッチ・スクリーンの86%を占めていました。車載市場における別体型タッチパネルへの引き合いは依然強いものの、サプライチェーンの簡素化やディスプレイメーカーの事業規模、車載市場で台頭が著しい「スマートキャビン」へのトレンドが、インセルタッチ型TFT LCDにとって有利な状況にあります。
ナビやAV、エアコン操作など様々な機能を統合した「スマートキャビン」のトレンドは車載用CSDの大型化を促進、インセルタッチTFT LCD出荷拡大の要因となっています。10インチ以上の大型ディスプレイは、2021年の車載用タッチ・スクリーンの31%を占めていましたが、2023年には58.5%にまで達しました。インセルタッチTFT LCD出荷の多くが10インチ以上で、2023年のインセルタッチTFT LCD出荷の95.7%を10インチ以上の大型サイズが占めています。
「スマートフォンやタブレット市場の飽和に伴い、ディスプレイメーカーは次の成長分野として車載市場を主眼に置いています。この動きは、2023年に7,460万台に達した車載用タッチ・スクリーン全体の出荷台数にも表れています」とOmdiaのディスプレイ担当シニアリサーチマネージャーであるCalvin Hsieh氏は述べています。「2024年の成長は予想より鈍化するものの、インセルタッチ型TFT LCDの出荷は引き続き成長し、2025年にはCSD出荷台数シェアの50%以上を占めることになるでしょう」とHsieh氏は結論付けています。
2024年4月17日から18日まで台湾の台北で開催されるTaiwan Technology Conferenceで、ディスプレイ、家電、半導体業界を調査する専門家が一堂に会する中、Hsieh氏がOmdiaによる最新のディスプレイ市場の調査分析結果を発表します。参加登録はこちら。
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