ASML、輸出規制で24年は中国売上高最大15%影響も
オランダの半導体製造装置大手、ASMLホールディングのロジャー・ダッセン最高財務責任者(COO)は、24日の業績発表会見で、オランダと米国が新たに発表した高性能の半導体製造装置の輸出禁止措置が発効すれば、2024年の中国での売上高に10~15%の影響があるとの見方を示した。
ASMLが同日に発表した2023年12月本決算は、売上高が前年比30%増の276億ユーロ(約4兆4,409億円)となり、そのうち露光装置は中国での売上比率が29%と、前年の14%から15ポイント拡大した。
ダッセンCOOは、「23年に中国に納入した製品の大部分は2022年以前の受注分だった」と指摘。オランダと米国の新しい輸出規制の影響で、24年は高度な浸潤式露光装置に関して、線幅7ナノメートル(nm)製造装置の型式「NXT:2000i」以降の中国向け輸出の許可が下りないとの見通しを示した。さらに、一部の中国の先進半導体製造工場は、同社の先端深紫外(DUV)露光装置「NXT:1970i」と「NXT:1980i」についても輸出許可を得られないだろうと述べた。
ただ、中国に輸出している設備は成熟プロセス向けが主流で、同需要は今後も安定して推移するとの見通しを示した。