中国、公共輸送用自動運転サービスの安全指針発表

ロボタクシーはドライバーレスも許可

中国の交通運輸部は5日、タクシーやバスなどの公共輸送用の自動運転サービスの安全指針「自動運転車運輸安全サービスガイドライン(試行)」を発表した。

このガイドラインは、バス、タクシー、トラックを含む自動化段階の旅客・貨物用車両に適用される。

ガイドラインでは、自動運転車に運転手あるいは、「安全員」と呼ばれるセーフティドライバーが基本的に同乗することを義務付けた。

ただし、自動運転タクシー(ロボタクシー)に関しては、安全確保を前提に、運転席が無人の状態で公道を走行することを許可した。これは、非常時には遠隔操作で車両をコンロトールする前提での許可で、「遠隔安全員」を最低でも自動運転車3台につき最低でも1人配備することを義務づけた。区・市レベルの人民政府の許可を経た上で、指定したエリアを指定した時間にかぎり走行できるようにした。

ガイドラインではこのほか、公共輸送用の自動運転車両に走行状況をリアルタイムで記録できるシステムを搭載することを義務付けた。交通事故が発生した場合や、自動運転機能を使用不可になった場合は、最低でも事故前90秒間の走行情報をシステムが自動記録・保存しなければならないとした。

■近づく自動運転の商業化

中国では近年、AI(人工知能)や5G(第5世代移動通信システム)、ビッグデータなどの新技術の急速な発展に伴い、交通分野での自動運転技術の応用も徐々に加速している。区域や道路を限定したテスト走行から路上テストへ、パイロット実証から商業試験運行へと移行しつつある。 北京市、上海市、広州市、深セン市などの大都市部では公共バス、レンタカー、物流・流通など特定の地域・時間帯で自動運転車の商業試験運行を認める政策を導入しており、適用規模が拡大している。
「国家総合立体交通網規画綱要」では、2035年までに中国の自動運転技術が世界の先進レベルになることを明確に打ち出しているほか、「交通強国建設綱要」でも「自動運転技術の研究開発(R&D)を強化し、コントロール可能な完全な産業チェーンを形成する」ことを目標に掲げている。

しかし現状では、自動運転車を交通運輸業務に利用するための基本的な要件が明確になっておらず、自動運転車の健全かつ秩序ある発展に適応できず、安全に対する圧力が高まっていた。今回のガイドラインにより、中国における自動運転車の商業応用のペースは加速するとみられている。

交通运输部办公厅关于印发《自动驾驶汽车运输安全服务指南(试行)》的通知

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