美的、重慶市に半導体製造販売の子会社

家電大手の美的集団が1月26日、半導体(製造販売)の子会社「美墾半導体技術」を重慶市に設立していたことが分かった。2日付で産業調査機構の拓璞産業研究院が伝えた。

新会社の登録資本金は2億元(約32億5,000万円)で、美的集団が95%、佛山市美的空調工業投資が5%それぞれ出資した。業務範囲は、集積回路のチップ、ICチップ、半導体ダイオードなどの製造と販売、新エネルギーの研究開発(R&D)などとしている

美的集団は、1968年に広東省佛山市に設立した空調、家電、ロボット自動化システムの製造販売会社。2019年3月、アリババ傘下でクラウドサービスの阿里雲と業務提携し、「ALIOS THINGS」に対応したカスタムチップを共同開発し発売した。また、三安光電傘下の子会社厦門市三安集成電路と半導体の実験室「第三代半導体聯合実験室」を設立。同年4月には、家庭用空調の周波数変換器のIPM(パワーデバイスの駆動回路)モジュールの大量生産に成功した。IPM分野で開発を積み重ねており、半導体事業の成長につなげられるかが注目されている。

大手家電メーカーの半導体分野への参入が相次いでいる。家電大手の珠海格力電器は17年にマイクロ電子部門を新設し、18年には空調チップの設計分野に進出。同年8月には全額出資子会社で半導体設計・販売の珠海零辺界成電路を設立している。

電子機器大手の康佳集団も18年5月、「半導体科技事業部」を新設して半導体部品の設計転換を手掛けはじめた。家電大手の広東格蘭仕集団は19年9月、半導体企業の上海賽昉科技と共同で出資した広東跳昉科技が開発した次世代IоT(モノのインターネット)向けのチップを公開している。

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