CATLが洋上風力発電事業に参入、新会社設立
中国車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL、福建省寧徳市)は、洋上風力発電事業に本格参入する。自動車大手が車載電池の自社開発に乗り出すなかで、巨大なポテンシャルを秘める洋上風力発電分野への投資を加速し、収益力の底上げを図る。
4月6日、企業情報検索サイト「天眼査」のアプリ上に、「福建潤時海上風電有限公司」(以下、潤時海風)が掲載された。登録資本金は25億元(約495億円)。CATL傘下の時代緑色能源が全額出資する。
潤時海風の業務範囲は、発電、送電、給配電事業、および洋上風力発電システムの研究・開発――となっており、CATLが洋上風力発電開発分野に本格参入することを示している。
CATLの2022年決算は、粗利益率が20.25%、純利益率が10.18%と、いずれも2015年以降の最低水準だった。しかも、広州汽車やBMW、テスラが取り組む車載電池の自社開発プロジェクトが進展すれば、現在首位にあるCATLの車載電池シェアは大幅に低下しかねない状況だ。
騰訊網によると、こうしたなか、CATLは21年に中国の洋上風力発電機大手の明陽智慧能源集団と提携関係を結ぶなど、発電分野への投資を加速。「再エネ・脱炭素」の追い風を受ける自社の定置用蓄電池事業とのシナジー効果を狙っている。