中国、「デジタル・チャイナ」で経済の強化・拡大に注力
中国は今年、デジタル経済の強化・拡大に注力する。通信インフラの増強を図るとともに、国際競争力を持つデジタル産業クラスター(集積体)の形成を急ぐ。
国務院新聞弁公室(国新弁)の主催で3日開かれた「第6回デジタル中国建設サミット(4月27日〜28日福建省福州市で開催)」向けの事前記者会見で、国家発展改革委員会(発改委)高技術産業司の責任者である孫偉氏がデジタル経済の強化・拡大を宣言。◇政策・制度の整備加速◇デジタルインフラの先行的建設◇デジタル産業の革新的発展の推進◇産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)加速◇デジタル公共サービスレベルの向上◇デジタル経済領域における国際協力――の6項目を重点的に進めていく方針を示した。
具体的には、光通信ネットワークの拡充を急ぎ、5G(第5世代移動通信システム)の商用化と大規模な応用を促進する。デジタル経済をけん引するリーディングカンパニーの育成にも取り組み、デジタルプラットフォーマーが雇用創出、国際競争において存在感を強めていくようサポートする。
中国のデジタル経済は世界2位の規模にあり、同国の経済成長を後押しする主要エンジンの一つになった。国家互聯網信息弁公室の曹淑敏副主任によると、2022年の電子情報機器製造業の売上高は15兆4,000億元(約297兆1,000億円)、ソフトウエア業の同年売上高は初の10兆元越えとなる10兆8,000億元だった。
各産業でDXが一層進んでおり、農業生産の情報化率は25%を超え、インダストリアル・インターネットの活用は45の国民経済大類に浸透した。社会消費品小売総額に占める実物商品のネット小売額の比率は27.2%に達し、過去最高を更新した。
デジタルインフラの面では、22年末現在、建設・開通済みの5G基地局は231万カ所に達し、ギガ級光ネットワークは5億世帯をカバーする能力を備えた。モバイルIoT接続数は初めて携帯電話契約件数を上回り、「モノ」が「ヒト」を上回る世界初の国になった。IPV6のアクティブユーザー数は7億人を超えた。
中国共産党中央委員会、国務院(中央政府)は22年末、「デジタルチャイナ(数字中国)建設の全体配置計画」を発表した。