バイトダンスが全固体電池参入、超イオン伝導材料を開発
ショート動画アプリ「TikTok」(ティックトック)を運営する字節跳動(バイトダンス、北京市)は、電気自動車(EV)の次世代技術として本命視される全固体電池の分野に参入する。中国科学院物理研究所の研究チームと共同で、固体の中をイオンが高速で動き回ることのできる超イオン伝導材料を開発した。
智能制造網が2022年12月26日に報じたところによると、この新しいタイプの超イオン伝導材料「LASI―80Si」は、全固体電池の固体電解質として利用可能。すでに全固体電池の正極材料として使われている二硫化鉄(Fes2)と組み合わせると、Fes2の透過特性と体積変化の弱点を完全にカバーできるという。
さらに、「LASI―80Si」は活性化エネルギーが相対的に低く、Fes2との界面が非常に安定していることから、作動範囲をマイナス60~+60度に広げることが可能。マイナス60度でも使用できる高い耐候性を実現したという。
中国では、動力電池の異業種参入が相次いでいる。華為(ファーウェイ)や騰訊(テンセント)といったIT企業を例外ではないが、多くは投資を主としており、バイトダンスのように直接的に開発事業を参入する事例は少ない。