中国のVOC対策業界、脱炭素政策で巨大商機
中国政府の脱炭素の取り組みが、揮発性有機化合物(VOC)対策関連市場に巨大な商機を生んでいる。
中国生態環境部などの政府関連15部門は11月14日、「重度の大気汚染を解消し、オゾン汚染を防止し、ディーゼルトラック汚染を防止する攻略戦強化に関するアクションプラン」を共同で通達した。
2025年までの目標として、◇全国の重度以上の汚染天気をほぼ解消する◇PM2.5とオゾンの同時抑制で成果を上げる◇オゾンの濃度上昇に効果的に歯止めをかける◇ディーゼルトラック汚染対策の水準を大幅に高める◇移動発生源の大気主要汚染物質の排出総量を大幅に減らす――との文言を掲げた。
カーボンピークアウトとカーボンニュートラルの目標を掲げる中国は、大気汚染対策を第14次五カ年計画中の環境保護産業における重点発展分野の一つに位置付けた。実現のカギは、窒素酸化物(NOx)、VOC、温室効果ガスの排出を同時に削減していくことにある。中国のVOC排出量は依然として高水準にあり、第14次五カ年計画において、VOCは二酸化硫黄に代わって、大気環境質を測る上での重要指標となった。
VOCは種類が多く、排出業界も広範にわたることから、VOC対策関連市場のポテンシャルは大きい。VOC処理装置の製造や、VOCの測定・技術サービスなどを手掛ける企業数は増加を続けており、業界規模はすでに1,000億元(約1兆9,600億円)に迫った。大気汚染対策領域において近年の発展が最も目覚ましく、産業価値が最も高い業界へと成長を遂げた。
12月7日付智能制造網によると、中国環境保護産業協会の郭承駅会長はこのほど開催された会合で、「中国のVOC対策はスタートこそ遅かったが、巨大な市場ニーズを背景に、過去10年で速やかな発展を遂げた」と述べている。