アリババのエンボディドAI、国連「AI for Good」優秀事例賞を受賞

国際連合のグローバルサミット「AI for Good(AIの善用)」が7日、スイスのジュネーブで開催され、中国IT大手、阿里巴巴集団(アリババ・グループ)の先端技術研究機関、達摩院(DAMO)の2つのAI(人工知能)の研究成果が「AI for Good」革新的影響力事例集に選出され、優秀事例賞を受賞した。受賞したのは、身体化知能(エンボディドAI)プラットフォーム「楽雲(RynnBot)」と超伝導材料発見AIエージェント「ElementsClaw」だ。
楽雲はアリババ達摩院が2025年に発表したワンストップのエンボディドAI開発プラットフォームで、学習・開発のハードルを大幅に引き下げた。従来、ローカルGPU(画像処理半導体)を備えた開発環境のコストは数万ドルに達していたが、楽雲はエッジとクラウドの協調によってエッジ側の「ゼロGPU展開」を実現し、数百ドル程度の3Dプリント製ティーチングロボットアームが1台あれば、VLA(Vision-Language-Action)などの主流な身体化モデルを動かすことができる。この取り組みは工業情報化部から「2025年人工知能応用典型事例」に選定されている。
「楽雲エンボディドSparkEdu」トレーニングキャンプを通じて、楽雲はすでに清華大学、北京大学、香港大学、シンガポール南洋理工大学などのトップ校を含む世界18の大学に展開し、身体化開発能力を持つ学生を2,000人以上育成した。学生たちは認知から創造へのプロセスを実現し、産業の最先端イノベーションに触れて学ぶだけでなく、実際に手を動かして「人間対AIの対局」「ゴミ分別」「片腕でのタオル折り畳み」などの身体化シナリオタスクを自主的に設計・完成させ、データ収集、モデルトレーニング、シミュレーション、実機展開までの全工程を習得した。
また、アリババ達摩院が中国人民大学と共同開発した超伝導材料発見AIエージェント「ElementsClaw」もAI for Good事例集に選出された。このAIエージェントは材料の超伝導性と臨界温度を予測できるだけでなく、材料科学者のように文献を調査し、合成可能性を評価し、実験計画を立案することができる。AIはわずか28GPU時間で240万の結晶構造をスクリーニングし、6万8,000個の超伝導材料候補を予測した。そのうち4種類の全く新しい材料はすでに実験によって検証されている。現在、関連データベースはすべて公開されており、研究者は無料で利用できる。
「AI for Good」グローバルサミットは国連のAI分野における旗艦プラットフォームであり、「AI for Good」事例集は国連傘下の国際電気通信連合(ITU)が主催し、中国工業情報化部の支援を受けている。達摩院は医療・健康、教育の普及などの分野で「AI for Good」の理念を継続的に実践しており、「非造影CT+AI」による多癌早期スクリーニングなどのプロジェクトも同事例集に選出されたことがある。




