AI投資できる自動車メーカー、29年にわずか5%に

米調査会社Gartner(ガートナー)がこのほど発表した自動車業界の2026年予測レポートによると、2029年時点で強力なAI(人工知能)投資の成長を維持できる自動車メーカーは全体の5%にとどまる見通しだ。これは、現在の95%超という割合から大幅に減少する数字となっている。
調査によれば、将来にわたりAI分野でリーダーとなり得るのは、強固なソフトウェア基盤を持ち、技術に精通した経営陣を擁し、AIを極めて長期的な視点で位置づけられるメーカーに限られるという。このことは、AI領域における競争格差をさらに拡大させる可能性がある。
ドイツのフォルクスワーゲン(VW)をはじめとする伝統的な自動車メーカーは、長年にわたりハードウェア中心のエンジニアリングで評価されてきたが、米Tesla(テスラ)や中国の比亜迪(BYD)といった技術ドリブンの新興勢力との差を埋めるべく、ソフトウェア能力の強化を急いでいる。
ガートナーのアナリストは、多くの伝統メーカーがAI強化を試みているものの、社内の構造的な障壁や旧来の発想が成長の足かせになっていると指摘。成功には、企業自身が“デジタル優先”の組織へと変革し、内部の障壁を排除し、最高経営層が技術を最優先事項に据えることが不可欠であり、ソフトウェア部門責任者が最高経営責任者(CEO)へ直接報告する体制が求められるという。



