中国半導体設備メーカーが急成長、北方華創が世界6位に

中国最大の半導体製造装置メーカー、北方華創(NAURA、北京市) の2025年上半期(1〜6月)の売上高は30.86%増の161億4200万元(約3325億2520万円)となり、世界第6位の半導体製造装置メーカーに浮上した。韓国や日本が長年優位を誇ってきた半導体製造装置分野で、中国企業の急速な追い上げが鮮明になっている。
北方華創の上半期の売上高は前年同期比30.86%増の161億4200万元、親会社の株主に帰属する当期純利益は15.37%増の32億800万元だった。
北方華創はこの半年で相次いで、立型炉と物理気相堆積(PVD)装置の2種類の設備の累積出荷台数が1,000台を突破した。これに先立ってエッチング装置も出荷台数が1000台を突破している。同時に、イオン注入装置、めっき装置、12インチ先進低圧化学気相成長(CVD)立型炉装置、マルチウエハー式8インチSiCエピタキシー装置、GaN/GaAs MOCVDエピタキシー装置などの新製品も発表し、半導体製造装置のカバー率を向上させている。
一方、例えば韓国同業のSEMESの今年上半期の売上高は前年比10%以上減の1兆1,054億ウォン(約1215億9400万円)、営業利益は1.4%増の821億ウォンにとどまった。韓国メディアによると、北方華創はすでにSEMESを上回り、世界第6位の半導体装置メーカーに浮上。さらに同社の製品は韓国半導体機関からの認証を取得し、韓国内での導入条件も整えているという。
装置分野に加え、中国はEDA(電子設計自動化)ツールでも独自開発を進めている。特にAI(人工知能)技術との融合により効率向上とコスト削減を実現する方向にある。あるアナリストは「米国の制裁が続く中で中国は内製化を加速し、巨大な内需市場が国産チップを支える」と指摘する。
韓国科学技術企画評価院(KISTEP)が今年2月に発表した報告書でも、先端パッケージ技術を除き、中国は半導体各分野の基礎力で韓国を上回っていると評価。韓国の半導体産業は、サムスン電子とSKハイニックスの2強依存に偏り、世界半導体競争の中で厳しい立場に置かれつつあることを浮き彫りにした。
こうした状況を受け、韓国政府は今年4月に半導体部品・材料・装置分野への投資額を 27兆ウォンから33兆ウォンへ拡大する方針を発表した。



