工業領域のカーボンピークアウト、重点は自動車産業
中国の工業和信息化部(工業情報省)など政府関連3部門はこのほど、「工業領域のカーボンピークアウト実施プラン」を出した。プランでは自動車産業に関する記述が何度も登場するとともに、工業分野において、産業構造の見直し、製造におけるリサイクル、デジタルトランスフォーメーション(DX)など多方面にわたって各種の取り組みを推進していく方針が示された。
プランでは、「2030年までに、新車市場における新エネルギーおよびクリーンエネルギーを動力とする交通ツールの販売比率を40%程度に到達させ、乗用車と商用車の二酸化炭素強度(国内で排出される二酸化炭素量を一次エネルギー総供給で割った値)を20年比でそれぞれ25%、20%以上に引き下げる」との目標を提示した。
その上で、環境への負荷を減らす「グリーン製造」に関して、自動車を始めとする業界のリーディングカンパニーに協力を要請。サプライチェーンの統合や、低炭素技術の開発面で模範を示すとともに、製品設計や原料調達、生産、輸送、製品保管、リサイクルの全プロセスで低炭素の理念を貫くよう求めた。
サーキュラーエコノミー(循環型経済)では、自動車製品などで、拡大生産者責任(EPR)を推進するほか、電動車の電池リサイクルシステムの建設を促す。
DXに関しては、自動車など業界がデジタル化と活用したグリーンサプライチェーンを構築していくよう指導する。