中国政府、EV用電池と主要鉱物技術を輸出制限へ


中国商務部は2日、「中国輸出禁止・輸出制限技術目録」を調整し、電池部品の製造や主要鉱物であるリチウムとガリウムの加工に使用される一部の技術に輸出制限を課す方針を発表した。トランプ次期米大統領を就任を受けての米中貿易戦争の激化に備え、中国が支配的な地位を占める電池部品と主要鉱物加工技術で優位性を強化する狙いがあるとみられる。

中国商務部は2日、科学技術部など他の政府部門とともに、対外貿易法および技術輸出入管理規則の関連規定に基づき、「中国輸出禁止・輸出制限技術目録」を調整する計画を発表した。発表では、中国輸出禁止・輸出制限技術目録の調整がいつ発効するかは明記していないが、25年2月1日までにパブリックコメントを募集している。

正式に実施されれば、主要な鉱物とその加工技術に関する一連の中国の輸出制限・禁止措置の最新版となる。

蓋世汽車によると、米コンサルタント会社、Benchmark Mineral Intelligenceの電池原料担当責任者であるアダム・ウェッブ氏は「目録の調整は、中国国内の電池サプライチェーン向けのリチウム化学品の生産を確保することも目的としている」と分析。 課される輸出規制のレベルによっては、中国の技術を利用してリチウム化学品を生産しようとする欧米のリチウムメーカーにとって、これは難題となる可能性があると指摘した。

中化新網訊によると、中国化学・物理電源行業協会の劉彦龍・前秘書長は「目録の調整は世界のリチウム産業にあまり大きな影響を与えないだろう」と述べ、リン酸鉄リチウム(LFP)調製技術やリン酸マンガン鉄リチウム(LMFP)調製技術の主な輸出制限は、次世代のハイエンド技術で、現在の汎用大量生産は制限されないとしている。

目録によると、ハイエンドのリン酸鉄リチウム製品、つまり第4世代以上のリン酸鉄リチウム材料の輸出制限は、通常の圧縮密度のリン酸鉄リチウム製品は制限の対象外となっている。

リン酸鉄リチウム材料は粉末の圧縮密度によって5世代に分けられる。この中で、第1世代の2.10~2.30g / ccは基本的に淘汰(とうた)され、第2世代の2.40~2.50g / ccは市場の主流製品、第3世代の2.50~2.60g / ccはハイエンドのリチウム鉄電池の重要な材料、第4世代の2.60~2.70g / cc、第5世代の2.70g / cc以上だ。国内企業で第4世代以上の製品を手がけている企業はまだない。

一方、リチウムの抽出・加工や電池部品の製造に使用される技術に対する上記の規制拡大・改定案は、寧徳時代(CATL)、国軒高科(Gotion High-tech)、恵州億緯リ能(リ=金へんに里、EVE Energy)といった中国の大手電池メーカーの海外進出計画を妨げる可能性もある。

また、ガリウムを抽出する技術の一部も制限される。中国商務部は2024年12月3日、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン、超硬材料関連のデュアルユース品目の対米輸出を原則として許可しないとの通達を出し、この通達は公示日から正式に施行された。

今月20日には米国でドナルド・トランプ次期大統領が就任し、中国を中心とした他国に対して関税やさまざまな貿易制限を課すことが予想されている。

关于《中国禁止出口限制出口技术目录》调整公开征求意见的通知

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