韓国サムスンディスプレイ、OLEDコア材料の現地化実現
日本の独占に終止符か
世界最大のOLED(有機ELパネル)メーカーであるサムスンディスプレイが、中小型OLED向け材料である銀(Ag)エッチング剤の内製化を実現したもようだ。韓国は日本などに依存していたOLED材料の内製化も進めている。
快科網などが伝えた。住友化学、韓国子会社の東友ファインケムが2007年以降、サムスンディスプレイに銀エッチング液を供給する唯一のサプライヤーだ。
銀エッチング液は、OLED工程で銀を主成分とする金属膜を薄くするために使用される重要な化学物質で、銀膜は光の反射板として機能し、その品質と効率はOLEDパネルの性能と歩留まりに重要な影響を及ぼしている。
銀(Ag)をエッチングするには、通常のエッチング液では加工できないが、特殊なエッチング液と専用の機械を使用する必要がある。エッチング液の組成物としては、りん酸や硝酸、酢酸、水を配合したものがある。
報道などによると、サムスンディスプレイは今年第3四半期(7〜9月)からOLED生産ラインに韓国のENF Technologyが開発した銀エッチング液の適用を開始した。ただ、東友精密化学の製品をENF Technologyの材料に完全に置き換えたわけではなく、工場内で別々に使用することで、サプライチェーンを多様化させるだけでなく、製品の品質と性能を継続的に確保した形だ。
業界関係者は、「ENF Technologyの銀エッチング液は、価格と性能の面で競合製品にそれほど劣っていない」と評価している。