中国の半導体業界再編の幕開け、中央企業が主導

(江蘇長電科技のウェブサイトより)

中国中央政府管轄の国有企業、中央企業による半導体分野の再編がスタートした。半導体後工程(パッケージング・テスト)受託企業で世界第3位の江蘇長電科技(JCET)は13日、高永崗董事長を含む幹部4人が辞職すると発表した。同社は今年3月、中央企業(中央政府管轄の国有企業)の華潤集団の傘下に入る株式譲渡計画を発表しており、今回の人事は、これに関連した動きとみられる。

長電科技の発表によると、2社の取締役会と監査委員会の改変が終了次第、華潤集団は長電科技の実質的支配者になる。これにより、華潤集団は傘下に華潤微電子と長電科技の半導体企業2社を置くことになる。

長電科技の2024年1~9月期業績は、売上高が前年同期比22.26%増の249億7800万元(約5379億4000万円)、純利益が10.55%増の10億7600万元と増収増益だった。11月14日時点の同社の時価総額は771億元で、華潤微電子の707億元と合わせた時価総額は1478億元となる。

14日付華夏時報によると、エコノミストの余豊慧氏は、「長電科技は、中央企業の傘下に入ったことで、税金や事業審査などの面でより多くの政策支援を受けられるだろう」と指摘。「中央企業による半導体再編は中国のハイテク発展戦略の一部であり、世界の半導体業界における中国の競争力と発言権を高めることにつながる」と述べた。

江苏长电科技股份有限公司 关于公司董事长、董事辞职的公告

江苏长电科技股份有限公司 2024 年第三季度报告

长电科技

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