中国政府系半導体ファンド、3社株式を一部売却へ

中国の政府系半導体ファンド「国家集成電路産業投資基金(大基金)」が保有株の売却に動いている。直近だけでも、半導体3社が大基金による一部株式売却を発表した。

半導体封止・検査大手の通富微電子(江蘇省南通市)は11日、同社の第2位株主である大基金が同社株の一部を売却すると発表した。11月4日から2025年2月3日までの間に、最大で同社の発行済み株式3%を手放す。

通微電子は10日、南通蘇錫通科技産業園区(江蘇省南通市)で先進封止工場を着工した。投資額は35億2000万元(約738億8900万円)。ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)やAI(人工知能)向けの半導体封止材料を提供する。

半導体チップ設計を手掛ける蘇州国芯科技(江蘇省蘇州市)は8日、第3位株主の大基金が同社の保有株10万7800株を売却すると発表した。売却後、大基金の保有株比率は現在の4.48%から4.45%に縮小する。大基金による同社株の売却は過去1年で3回目。

国芯科技は2001年の設立。組込みプロセッサ技術の開発・応用に注力している。今年上半期(1~6月)の売上高は前年同期比2.1%減の2億6100万元で、最終損益は8255万9900元の赤字に転落した。23年通年も減収・赤字転落だった。

電子部品販売会社の深セン中電港技術(広東省深セン市)は8日、大基金が同社株の一部を売却すると発表した。大基金は同社の発行済み株式の約1割を保有しているが、最大で0.257%を手放す。

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