NXPセミコンダクターズ、インドに10億米ドルを投資へ

半導体大手の分散投資が加速

オランダの半導体大手、NXPセミコンダクターズは11日、インドに10億米ドル(約1429億7000円)以上を投資すると発表した。世界の半導体大手が相次いでインドへの投資を開始、または投資計画を発表している。半導体生産を中国や台湾などに依存してきた地政学的なリスクを意識し、分散投資する流れが加速している。

ニューデリー近郊で11日に開幕した半導体産業の展示会「Semicon India(セミコン・インディア)2024」で、NXPセミコンダクターズのKurt Sievers最高経営責任者(CEO)は「NXPは今後数年間で、インドにおける研究開発(R&D)投資を倍増し、10億米ドルをはるかに超える投資を行う」と述べた。インドの自動車産業やその他の産業と協議を進めていると明らかにした。同社は現在、インドに4つの半導体設計センターを持ち、約3000人を雇用している。

半導体大手の投資相次ぐ

インドの半導体チップ産業はまだ黎明期にあるものの、政府は国家の経済戦略に位置づけ、100億米ドルの奨励金プログラムを割り当てている。政府は、2026年までに同国の半導体市場が630億米ドル規模になると見込んでいる。

インドは今年2月、Tata Group(タタ・グループ)が台湾のファウンドリー(半導体の受託生産)の力晶積成電子製造(PSMC)と共同でグジャラート州に計画する半導体チップ工場や、インドの電力開発のCG Power and Industrial Solutions Ltd(CGパワー・アンド・インダストリアル・ソリューションズ)と日本のルネサスエレクトロニクス、タイのStars Microelectronics(スターズマイクロエレクトロニクス)が共同で建設する封止・検査工場など総額1兆2600億ルピー(約150億ドル)に上る半導体工場3拠点の建設を許可した。

また米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)やAMDなども、インド国内に多数の研究・設計センターを設立している。米Micron Technology(マイクロン・テクノロジー)も昨年、グジャラート州のパッケージング・テスト工場に27億米ドルを投資する計画で、これにより同州で約5000人の雇用を創出すると明らかにしていた。

半導体製造装置メーカー最大手、Applied Materials(AMAT、アプライド・マテリアルズ)は昨年6月、今後4年間でインドに4億米ドルを投資し、新しいエンジニアリングセンターを設立すると発表している。

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