華為雲、生成AIで創薬効率化へ

中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ、広東省深セン市)のクラウド部門「華為雲(ファーウェイクラウド)」は、AI(人工知能)を活用した新薬創出に力を入れる。自社開発の大規模言語モデル(LLM)を使った産業向け生成AI「華為盤古大模型」を活用し、創薬の効率化を進める。

華為雲の黄瑾副総裁(戦略・産業発展部総裁)は、海南省ボアオ(博鰲)で開催されている健康産業フォーラム「西普会(CPEO」のサブフォーラムで、「中国政府はバイオ医薬の支援に力を入れ、医薬・健康ビジネスを手掛ける国内企業も開発投資を加速しているが、産業のレベルは、創薬研究を筆頭に海外の先進水準に追い付いていない。しかしながら、国内のAIの急速な発展は医薬・健康産業に現状を打破する新たなチャンスをもたらした」と述べた。

「華為盤古大模型」はAI領域における華為雲の看板商品だ。そのうち創薬研究分野では、分子標的薬の開発に用いる「盤古分子大模型」が全開発フローをAIがサポート。医薬品設計の効率を従来比33%高めた。

黄氏は、「華為盤古大模型」の活用領域として、創薬研究に、スマート医療、DNAシークエンシング、臨床研究、中医薬を加えた5分野を想定していると説明した。

そのうち中医薬では、薬用植物の栽培から商品の開発、生産、流通、販売まで全産業チェーンのレベルアップを促進する。

華為雲は今年5月、中医薬(漢方)やバイオ医薬品などの研究・製造・販売を手掛ける天士力製薬集団と共同開発した中医薬のAI基盤モデル「数智本草」を発表した。同モデルは380億のパラメータを搭載し、中医薬の膨大なテキストデータの学習を基に、研究者の理論とエビデンスの発掘、総括をサポートする。

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