中国「東数西算」プロジェクト始動、データセンター建設加速
中国のデータセンタープロジェクト「東数西算」が本格始動する。同プロジェクトは、現在は東部に集中するデータセンターを西部に集中的に配置する内容。「南水北調」(南部の水資源を北部に供給するプロジェクト)、「西電東送」(西部で発電した電気を東部地域に供給するプロジェクト)と同様に、資源配置のための中国における超ビッグプロジェクトであり、中国が目指すデジタル化発展の重要インフラとなる。
国家発展改革委員会などの関係当局は23日、共同で文書を通達し、北京・天津・河北、長江デルタ、粤港澳大湾区、成都・重慶、内モンゴル自治区、貴州省、甘粛省、寧夏回族自治区の8エリアで「国家計算力ハブノード」の建設を始めることに同意。併せて、「国家データセンター群」を国内10カ所に配置する計画を公表した。これによって、「東数西算」プロジェクトが全面的にスタートした。
「東数西算」プロジェクトは、データセンター、クラウドコンピューティング、ビッグデータが一体化した新型の計算力ネットワークシステムを構築することによって、東部エリアの計算力ニーズを西部へと誘導し、東部と西部の協調と連動を促進するというもの。東部のデータ処理を支えるデータセンターを西部に配置して、デジタル経済の進展を図る。
25日付智能制造網によると、すでに多くのテック企業が西部エリアでデータセンターの建設を進めている。ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)は重慶にデータセンター2カ所を設置。うち1期は18年6月に稼働を始め、昨年末に完成した第2期が年内に稼働する。
通信機器大手、華為(ファーウェイ)のオンラインストレージ部門である「華為雲」は中国5カ所にデータセンターを設置しており、うち、貴州省の貴安新区にはサーバー100万台を収容できるデータセンターを開設した。
演算力は現在、デジタル経済の中核生産力となり、世界各国がしのぎを削る分野となった。中国のデータセンター規模は標準ラックベースで500万、演算能力は130EFLOPS(EFLOPS:浮動小数点演算を1秒間に100京回行うことを示す単位)に達した。デジタル技術の応用が加速するにつれて、演算力ニーズは年間20%のペースで増加していくと予測されている。
国家发展改革委等部门关于同意京津冀地区启动建设全国一体化算力网络国家枢纽节点的复函