半導体製造装置5社の中国売上高、1~3月は116%増

半導体製造装置大手5社(ASML、東京エレクトロン、アプライド・マテリアルズ、ラム・リサーチ、KLA)の今年第1四半期(1~3月)の中国での売上高は、前年同期比116%増加した。同国のDRAM出荷個数の増加が追い風だった。年内は、モノのインターネット(IoT)、自動車、第5世代移動通信システム(5G)といった主力分野で半導体に対する力強い需要が続く見通しだ。

同5社の1~3月の世界売上高は前年同期比9%減少した。顧客企業の先端半導体への投資遅延が影響したものの、中国での大幅増益がその他地域の減収を補い、減収幅は小幅にとどまった。

米調査会社Counterpoint reserch(カウンターポイント)のシニアアナリストのAshwath Rao氏によると、中国では先進プロセス半導体製造に使われる深紫外線(DUV)露光装置への投資が拡大し続けている。

また中国では日本の半導体製造装置に対する需要が高まっている。財務省の統計によると、1~3月に日本から輸出された半導体製造装置は、中国向けが5割を超えた。中国向けが5割を超えるのは3四半期連続。米中経済対立を背景に、中国で半導体製造装置の生産ラインの入れ替え特需が発生し、汎用品を中心に引き合いが増えたとみられる。

金額でみると、1~3月に日本から中国に輸出された半導体製造装置は前年同期比82%増の5212億円で、2007年以降の過去最多だった。

日本政府は23年7月、回路線幅10~14ナノメートル以下のロジック半導体など先端半導体の開発・製造に使われる装置を輸出管理の対象とした。中国向けの輸出については、事前申請が必要となり、原則として認めない。

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