潤晶科技、住友化学の中国2工場を買収へ
中国石化コングロマリットの山東海科控股(ハイクホールディング)傘下の電子材料メーカー、鎮江潤晶高純化工科技股フン(ルンジンテック、江蘇省鎮江市)は、住友化学の住化電子材料科技(合肥)と住化電子材料科技(重慶)の2社を買収し、完全子会社化する。
住友化学は17日、中国におけるフラットパネルディスプレイ(FPD)用プロセスケミカル事業会社2社の全持分を、鎮江潤晶高純化工科技股フンに譲渡することとし、当社グループとルンジンテックの間で持分譲渡契約を締結したと発表した。譲渡の実施時期は5月31日を予定している。
住友化学は2009年から中国でFPD用プロセスケミカル事業を手がけていたが、「昨今の原料価格高騰などの事業環境の変化を踏まえ、原料競争力や顧客対応力などに強みを持つ鎮江潤晶高純化工科技股フンをベストオーナーとして競争力を強化させていくことが最善である」と考え、事業再編を決定した。
一方、鎮江潤晶高純化工科技股フンは住友化学グループの技術的優位性と事業体制を継承し、エッチング液、剥離液、CF現像液などの製品ポートフォリオの拡充を早期に実現し、顧客に多品種にわたるトータルソリューションを提供することで、中国のウェットエレクトロニクス化学品市場における競争力を向上させるとしている。
鎮江潤晶高純化工科技股フンは2008年の設立。17年に山東海科控股が完全子会社した。 山東海科控股は世界的な先進現像液(TMAH)メーカーとして、韓国サムスン電子、LG電子、京東方科技集団(BOE)、TCL華星光電技術、天馬微電子などの大手パネルメーカーに供給している。
鎮江潤晶高純化工科技股フンは20年、合肥芯科電子材料(安徽省合肥市)を設立。高純度過酸化水素、アンモニア、イソプロピルアルコールなどの半導体向けの製品を生産しており、12インチウエハー工場に導入された実績がある。