中国で半導体向けなど新素材産業が急拡大、「科創板」上場企業80社超に

中国で、半導体向けなど新素材産業が急速に拡大している。「科学技術」+「創新(イノベーション)」分野の証券取引の場として上海証券取引所が開設した新しい株式市場「科創板」は、2019年7月の開設以降、80社を超える新素材開発企業が上場し、時価総額の合計は7000億元(約14兆4,646億円)に迫っている。

中国の今年の政府活動報告では、「新たな質の生産力」という言葉が初めて登場し、今年の政府活動の10大任務の1番目に示された。新素材産業は、ハイテク産業の発展の土台となる上、「新たな質の生産力」を強化していく重要な推進力となる。

科創板に上場する新素材企業は、ハイテク国産化を進める中国の政策の波に乗って、23年は売上高、利益ともに2ケタ成長となる企業が目立った。さらに上場80社のうち60社余りは、「小さな巨人」(「専精特新」企業(専門性、精巧性、特徴性、新規性の4つの優れた特徴を持つ中小企業)のうち、中国工業情報化部が選出した「専精特新」企業)に認定され、半導体向けを含む先進基礎材料、戦略性材料の開発を進めている。

業種別にみると、科創板関連の上場企業には天岳先進、凱賽生物、中複神鷹、西部超導、容白科技など新材料の代表的な企業が数多く登場。半導体基幹材料や太陽電池材料、炭素繊維、超電導材料、電力電池材料、生物原料など広範囲にわたる。

半導体材料では、安集科技や奥来徳などが注目だ。半導体材料のCMP研磨液と機能性湿式電子化学品を手掛けており、2023年の売上高は前年比15%増の12億3800万元だった。純利益は前年比28%増の3億8700万元。 奥来徳はOLED向け有機発光材料と蒸発源設備の開発生産で国産化を目指している。

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