中国で「15分生活圏」構築、団地内コンビニなど奨励
AI・IoT活用で非接触型ビジネスも
商務部など中国政府12部門がこのほどまとめた「徒歩15分間生活圏」の建設推進に関するガイドラインで、コンビニエンスストアなど消費者の日常生活に密接に関わる店舗やサービス施設の集合住宅(小区)への出店を推奨する方針が示された。人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)などの先進情報技術を活用した非接触型取引やスマート決済などといった革新的なビジネスモデルの導入も後押しする。
「商業サービスと不動産」、「消費と生活」などを融合させたビジネスモデルを推奨し、業態の多様化、凝縮化、スマート化を図る。コンビニのほか、総合スーパー、野菜市場、生鮮スーパー、朝食専門店、美容・理髪店、クリーニング店、写真館・文具店、家政サービス所、自転車修理店、資源物回収スポット、郵便・宅配物集配所、電子商取引(EC)サービスに対応した店舗兼倉庫などの集合住宅内の出店を支援する。
集合住宅内の商業店舗には生活支援サービス拠点としての役割を持たせ、税金・料金の払い込みサービスや各種の出張サービス、レンタルサービスの提供を奨励する。第5世代移動通信システム(5G)、ビッグデータ、AI、IoTなどの先進情報技術を活用した非接触型取引やスマート決済、ネット注文・宅配、ライブコマース、セルフ販売などといった革新的なビジネスモデルの導入も後押し、住民に新しいライフ・シーンを提供する。
ガイドラインでは、生活圏の商業開発においては、人口や消費習慣、所得水準を踏まえて規模や配置、業態構造、サービス機能を設計するよう求めた。都市部の高経年住宅団地や、新規開発の住宅団地、都市農村越境団地での商業圏構築に重点を置き、消費者の生活利便性と日常消費に対するニーズに対応していく方針を示した。