中国大手企業、ペロブスカイト太陽電池事業へ参入相次ぐ

次世代太陽電池の本命といわれるペロブスカイト太陽電池への中国大手企業の参入が相次いでいる。ディスプレイパネル最大手の京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ、北京市)がこのほど、ペロブスカイト太陽電池の実用化を目指す開発プロジェクトを始動させ、太陽電池業界に本格参入した。

1993年4月設立の同社は、世界市場に供給されるディスプレイパネルの4分の1超を生産しており、今年上半期の液晶パネル販売は、世界シェア38%で首位だった。ペロブスカイト太陽電池の参入を通じて、川上分野を開拓するとともに、中国の再生可能エネルギー政策に共鳴する。

現在主流の結晶シリコン系太陽電池は、変換効率が理論的な上限値に近づいており、今後の改良余地は限られる。次世代技術のペロブスカイト太陽電池は、シリコン結晶を組み合わせたタンデム太陽電池の理論限界値が43%程度とされるなど、大きなポテンシャルを持つ。

■BYDや長城汽車、中国核工業集団も投資

ペロブスカイト太陽電池は、比亜迪(BYD)、長城汽車といった自動車メーカーや、中国原子力発電大手の中国核工業集団も開発に乗り出しており、開発競争は過熱しそうだ。

比亜迪は今年11月17日、投資家向けに太陽光発電事業へ投資する計画を明らかにし、「比亜迪はペロブスカイト電池技術を手がけていく」と言及した。 結晶シリコン太陽電池がPERCセル技術やN型TOPCon、HJT(ヘテロ接合太陽電池)セル技術に転換する中で、積極的にペロブスカイト電池技術も組み入れていくとしている。

長城汽車は早く2020年にペロブスカイト電池の開発会社を設立。それ以前にも同社の研究機関「長城汽車研究所」で研究を進めていたとされる。22年3月にはペロブスカイト電池事業を正式発表し、その5カ月後に江蘇省無錫市に30億元(約630億円)を投じ、世界初のギガワット(GW)級のペロブスカイト太陽電池モジュールとBIPV(建材一体型太陽光発電)製品生産ライン、年産100トン規模のペロブスカイト太陽電池量子ドット生産ラインなどを建設する計画を発表した。

中国核工業集団も今年6月、同社の取締役会が「ペロブスカイト太陽電池の商業級パイロット生産ラインの研究開発(R&D)に関するプロジェクト」を可決したと発表している。

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