米インテル、ベトナム事業の拡張計画を凍結か
米半導体大手インテルはベトナムでの半導体工場向けの投資計画を棚上げしたもようだ。インテルは同投資により、ベトナムでの事業規模を2倍に拡大させることを狙っていた。計画の凍結は、成長を続けるベトナムの半導体産業にも打撃となりそうだ。
8日付IT之家が、ロイター通信などを引用して報じた。インテルは、ベトナムに半導体組み立て、パッケージング、テストを行う同社の世界最大工場を有している。バイデン米大統領は9月にベトナムを訪問した際、同国の半導体産業を支援すると表明しており、ベトナムは、インテルの現地事業拡大に期待を寄せていた。
しかし関係筋によると、バイデン大統領のベトナム訪問直後、米政府関係者が米企業関係者などに対して、インテルの拡張計画の棚上げを伝えたという。同関係筋によると、インテルは7月ごろに既に決定を下していたという。
インテルは計画取り消しの理由を明らかにしていない。ただ、ここ数週間以内に2回にわたり行われた米国のある企業とベトナム政府高官との会議に出席したという別の関係者は、「インテルは電力供給の安定性と過剰な官僚主義に対して懸念を示した」と明かした。
ベトナムでは6月に大規模な停電が発生し、多くの企業が生産の一時停止を余儀なくされた。また、インテルは、外資誘致競争でベトナムと対抗するマレーシアの半導体パッケージング工場への投資を拡大している。