中国半導体製造設備メーカーの受注拡大、背景に国産化率向上

中国の半導体製造設備メーカーが受注を伸ばしている。米国の対中半導体輸出規制を受けて、中国の半導体メーカーが国産設備の買い付けを増やしていることが背景にある。

集微網の独自集計によると、今年上半期に中国の半導体メーカーが実施した設備調達は、国内半導体製造設備メーカーによる落札案件が台数ベースで5割を占め、前年同期から大幅に増えた。受注品目も清浄装置、エッチング装置、拡散炉など多岐にわたった。

半導体市場規模の拡大につれて、半導体製造設備の需要は右肩上がりで伸びている。2017に566億米ドルだった世界の半導体製造設備市場規模は21年に1,026億米ドル(約15兆4,348億円)に達し、年間12.6%のハイペースで拡大した。世界経済の低迷で半導体需要が落ち込んだ22年も、設備市場は成長を続け、1,076億米ドル規模となった。そのうち、中国製設備の販売額は282億7,000万米ドルで、世界シェア26.3%を掌握。台湾の24.9%、韓国の20%、北米の9.7%を上回った。

半導体チップの生産・消費大国である中国では、半導体工場、半導体テスト・モジュール実装工場の建設ラッシュに伴って、半導体製造設備の需要が急拡大している。こうした背景下、今年上半期は中国市場に上場する主要設備メーカーが軒並み売り上げを伸ばし、市場シェアを拡大しつつある。

集微網の概算統計によると、今年上半期の中国の半導体製造設備メーカーの投資額は300億元(約6,171億円)に迫り、前年同期比30%増加した。また中国の半導体製造設備メーカーが今年1~10月に実施した資金調達案件は25件で、合わせた調達額は29億元に迫った。投資先は、最先端の実装設備、塗布現像装置、CD-SEM(測長走査型電子顕微鏡)などだった。

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