自動運転の小馬智行、量産型のシステム実現
自動運転の小馬智行、量産型のシステム実現
自動運転のスタートアップ、北京小馬智行科技(PONY.AI)は9日、最新システムを搭載した自動運転車両を標準生産ラインからラインオフした。同社が計画している自動運転のタクシー「ROBOTAXY」の本格運営実現に向けて大きく前進した。9日付量子位などが伝えた。
今回の量産型の自動運転システム「PONY ALPHA X」は、トヨタ自動車の高級ブランド車「レクサスRX 450H」に搭載し、自動車の生産規格や品質基準なども満たしている。同社は昨年11月の上海市で開催された「第3回中国国際輸入博覧会」で、L4(特定の条件下における完全自動運転)の自動運転システムの量産化生産ラインを公表。これはソフトウエアとハードウエアを生産ラインで一体化しており、生産規模や効率は以前の6倍に達するとしている。
小馬智行は2016年に創設され、これまでに米国シリコンバレー、北京市、上海市、広州市にそれぞれ研究開発(R&D)センターを設立。自動運転のL4技術を持ち、トヨタ自動車、ドイツ自動部品大手ボッシュ(BOSCH)など一流の自動車メーカーと提携。世界で初めて米中両国で「ROBOTAXY」のサービスを開始した。
小馬智行が「C+輪」で1億米ドル(約105億5,800万円)の資金を調達したことも8日に公表している。ブルネイ政府所有のブルネイ投資庁(BIA)と中信産業基金(CPE)の融資で、総額3億6,700万米ドルの「C+輪」が完了した。
これまでに、20年2月にトヨタ自動車が4億6,200万米ドル、同年11月にはカナダのオンタリオ州教職員年金基金(TIP)が2億6,700万米ドルを出資。小馬智行は創業から4年で、国際的なファンドや自動車メーカーから、総額11億米ドルを超える融資を獲得している。
小馬智行が豊富な資金力を背景に、量産型の自動運転システムを搭載した車をラインオフしたことで、ROBOTAXYや自動運転トラックの実用化が加速するとみられている。