抖音がEC強化、越境ECの直営店開設
中国版TikTokとも呼ばれる動画投稿アプリ「抖音(Douyin)」が電子商取引(EC)事業を強化している。このほど抖音アプリ内に、直営型の越境EC店「抖音進口超市」を開設した。
「抖音進口超市」が現在扱う商品は、フェイスマスクや粘着クリーナーなど25種。今後さらに種類を増やしていく計画だ。
抖音はこれ以前に海外ブランドを扱う越境ECセレクトショップ「抖音優選進口超市」を開設しているが、自社モール内で自社の名義で商品を売る直営方式ではなかった。
「抖音進口超市」の開設により、抖音が自ら運営するEC店は、コスメ、ファストファッション、雑貨、農産物、酒類の専門店5店、および9.9元以下の商品を扱う激安ショップ「超便宜小店」、ネットスーパー「抖音超市」を加えた8店舗に増えた。
今後、高級品を扱うEC直営店を開設する計画もあり、直営展開を加速して、EC事業のビジネスエコシステム構築を狙う戦略だ。
中国のEC業界は過去十数年間、当初から直営モデルを採用する京東が上位3位内をキープする安定の存在感を示してきた。直営モデルはECプラットフォームの競争力を引き上げ、出店業者と消費者の興味を引き付ける重要な手段とみなされ、大手ECプラットフォームの間で導入の動きが加速している。