独VW、中国で電動化投資加速 上海汽車や小鵬汽車と提携

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が7月中旬から8月初旬にかけて、中国で電動化分野の投資を加速している。急速に新興ブランドによってスマート化や電動化が進む中国自動車市場での主導権を挽回するのが狙いとみられる。

安徽省合肥市に電気自動車(EV)の新開発拠点を設立する計画を発表したことを皮切りに、傘下の高級車メーカー、アウディと中国同業の上海汽車集団によるEV開発提携、中国EVメーカー、小鵬汽車に対する7億米ドル(995億円)の追加出資を相次いで発表した。

安徽省合肥市へは、VWの中国法人と安徽江淮汽車集団(JAC)との合弁会社である大衆安徽を通じて、10億ユーロの追加投資を予定。インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)の開発や部品調達を行う拠点を新設する計画で、VWにとって中国最大のテクノロジー・イノベーションセンターとなる。新製品や新技術の開発時間を30%短縮できると見込んでいる。

さらに数日前には、VWが中国の新興EVメーカー、零跑汽車と、「ジェッタ(捷達)」ブランドでの協力の可能性について協議しているとの情報が浮上した。報道によれば、提携が成立すれば、VWは「ジェッタ」ブランドでエントリーレベルの電動SUVを市場に投入する計画とされる。

フォルクスワーゲン・グループの中国市場における電気自動車(EV)の販売状況が芳しくなく、EV開発の現地化を本格化する必要が出てきていることが、これらの投資に背景にあるとみられている。

■ソフトウエアの現地化遅れ

騰訊汽車によると、ある業界アナリストは、フォルクスワーゲンの電動化戦略に向けた大きな課題は、スマートコックピットとスマート運転向けのソフトウエアが中国市場に適応していないことにあると指摘。技術開発で先行する国内の自動車メーカーと提携することで、比較的短い期間で電動化、スマート化を進められると同時に、コスト競争力のあるEVを開発するに役立つとみている。

フォルクスワーゲンのMEBプラットフォームベースの車種「ID .」シリーズは、スマートコックピットや運転支援技術の面で出遅れている。またEV共通プラットフォーム「PPE(プレミアムプラットフォームエレクトリック)」が完成し、生産に投入されるのは2024年の長春工場、新世代のEV用プラットフォーム「SSP(スケーラブル・システムズ・プラットフォーム)も26年に完成する計画で、だいぶ先になる。 中国メディアの報道によると、ソフトウエア開発やその他の制約により、PPEとSSP計画より遅れる可能性も高いとしている。

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