米半導体のマックスリニアが慧栄科技の買収中止を発表 中国当局の条件が影響か

(慧栄科技のウェブサイトより)

米アナログ・無線周波数チップメーカーのMaxLinear(マックスリニア)は現地時間26日、台湾NANDフラッシュメモリ制御チップ大手の慧栄科技(Silicon Motion)の買収を中止すると発表した。中国市場監督管理総局が前日の26日に独占禁止法審査決定に関する公告を発表し、条件付きで買収案を承認したばかりだった。

マックスリニアは2022年5月、慧栄科技を米国預託証券(ADS)1枚当たり114.34米ドルで買収する意向を明らかにしていた。現金と株式を含む買収総額は約38億米ドル(約5,323億8,000万円)。 買収後、マックスリニアの株主は統合会社の約86%を所有する計画だった。

マックスリニアは先日の声明の中で、米国証券取引委員会に提出した書類の通り、同社がこの取引を完了する義務を免れたことを指摘し、理由として、(1)合併契約に規定された一定の完了条件が満たされていない(2)慧栄科技は継続的に重大な悪影響を被っている(3)慧栄科技は合併契約における表明、保証、約束、合意に重大な違反をしたーーなどとしている。

両当事者の合意では、6月27日までに取引が完了しない場合、米国HSR法に基づき再申請する必要があると規定されており、取引は昨日(7月26日)、中国市場監督管理総局から独占禁止法の承認を受けたばかりだった。

中国市場監督管理総局はその制限条件の中で、取引の当事者および統合後の事業体に対し、以下の義務の履行を求めたもよう。(1) 公正、合理的かつ非差別的に、中国におけるNANDフラッシュ・ホスト製品の供給を継続すること。(2) 中国台湾におけるワイズパックのNANDフラッシュホストチップに関する研究開発を維持すること。(3) 中国で販売されるNANDフラッシュホストコントローラチップの設計に悪意のあるコードを組み込んではならないーーなど。 これらの条件は発効日から5年間有効であり、同期間の満了により自動的に解除されるとしていた。

MaxLinear Provides Update on Proposed Acquisition of Silicon Motion

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