ローム、独ヴィテスコとSiCパワーデバイスの長期供給契約

大手電子部品メーカーのローム(京都市)は20日、自動車部品大手の独ヴィテスコ・テクノロジーズと電気自動車(EV)向けSiC(炭化ケイ素)製パワー半導体を長期にわたって供給する契約を締結したと発表した。取引額は2024年から30年までで1,300億円以上に上る予定だ。

両社は2020年に締結した「電気自動車向けパワーエレクトロニクスにおける開発パートナーシップ」に基づいて、EVに最適なSiCパワーデバイスとSiC搭載インバータの開発を進めてきた。ヴィテスコはロームのSiCチップを搭載した先進的なインバータの供給を来年から開始する予定で、既に大手2社のEVへの採用が決まっている。

SiCパワーデバイスは、EVのインバータ開発において非常に重要なアイテムで、より高効率なパワーエレクトロニクスの設計を可能にする。中でもSiCチップは、高電圧対応が求められ、電気エネルギーの有効活用による航続距離伸長やバッテリーサイズ削減などが必要な電気自動車にとって、重要なキーテクノロジーとなっている。

ローム取締役、常務執行役員、最高財務責任者(CFO)の伊野和英氏は「ロームはSiC市場で業界をリードする開発、製造体制を持っている。さらなる市場浸透に向け、今回重要な戦略的パートナーであるヴィテスコとさらに深いビジネスの提携関係を築けたことで、市場シェア30%以上獲得も期待できると考えている」とコメントした。
ヴィテスコは、ドイツのレーゲンスブルクに本社を置く。モビリティ向け最先端ドライブシステムを開発・製造する世界有数のメーカー。電気、ハイブリッド、内燃駆動システムのためのインテリジェントなシステムソリューションと部品を提供している。22年の売上高は約90億7,000万ユーロ(約1兆4,000億4,000万円)、世界50拠点の総従業員数は約3万8,000人。

ヴィテスコ・テクノロジーズとローム、SiCパワーデバイスの長期供給パートナーシップ契約を締結

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