インド政府、量子技術に980億円投資へ 閣議決定
インド政府は19日、量子技術の研究開発(R&D)促進に対し600億インドルピー(約978億円)を投資する「国家量子ミッション (NQM) 」を閣議決定した。米国や中国、カナダ、フランス、オーストリア、フィンランドなど最先端の量子技術の研究が進む世界の国々「量子エリートクラブ」に並ぶことを狙う。
インド政府は、量子技術のR&D向けに2023年から31年までの8年間、600億3,650万ルピーの予算を確保する。国内のトップクラスの学術機関や研究開発機関内に量子コンピューター、量子通信、量子センシング、量子材料とデバイスなどテーマ別のR&D拠点を設立。 超伝導量子コンピューターなどで50~1,000個の物理量子ビット(キュービット)を持つ中規模量子コンピュータの開発を目指す。内訳は3年以内に50量子ビット、5年以内に50~100量子ビット、8年以内に最大2000量子ビットを構築する。
インド国内の地上局と衛星間の量子通信、他国との長距離量子通信、2,000キロメートルを超える都市間量子鍵配布、量子メモリを備えたマルチノード量子ネットワークの実現も目標に掲げている。また、高感度な通信やナビゲーションのための原子時計の開発も手がけるほか、超伝導体、新しい半導体構造、トポロジカル材料など、量子デバイスを作るための量子材料の設計と合成、単一光子源・検出器、もつれ光子源の開発も行う予定だ。
インドの科学技術・宇宙・原子力大臣は「インドは量子技術の分野で飛躍することができる 」とコメントしている。