AIの新たな概念「MLOps」に注目集まる

自動車部品メーカーもプラットフォーム開発

人工知能(AI)を効率的に活用できる「MLOps」に注目が集まっている。機械学習(Machine Learning)と運用(Operations)をあわせた造語で、機械学習モデルの実装から運用までのライフサイクルを円滑に進めるための管理体制を築くこと、またはその概念全体を指す。AI技術を応用し、新たな価値を生みだすためのツールとみなし、中国上場企業が続々と同分野に切り込んでいる。

中国第一汽車集団傘下で、業務管理ソフトや自動車電子部品を手掛ける啓明信息(吉林省長春市)は、クラウドネィテブに基づくMLOpsプラットフォームを開発した。開発者がハイクオリティなAIモデルを構築、シミュレーション、実装していくことをサポートするもので、AI開発コストを引き下げ、企業のAI導入を後押しする。

ICTソリューション大手の北京宇信科技集団や星環信息科技(上海)もMLOps関連事業を展開している。

ICT分野のシンクタンクである中国信息通信研究院(中国信通院)が3月に発表した「AI研究開発運用システム(MLOps)実践ガイド(2023年)」では、モデル構築チーム、ビジネスチーム、運用・保守チームを結びつけ、機械学習モデルのライフサイクル全体のプロセス管理システムを標準化、自動化、継続的に改善することにより、組織が機械学習モデルを高品質、高効率、持続的に大規模に生産できるようになるとした。

ウェブセキュリティーを手掛ける北京神州緑盟信息安全科技(緑盟科技、北京市)はこのほど、この「AI研究開発運用システム(MLOps)実践ガイド(2023年)」の策定作業に参加したと発表している。

中国基金報によると、こうしたなか株式市場では、AIの新たな概念としてMLOps分野に資金が向かっている。4日は、啓明信息が一時ストップ高、緑盟科技が12%高で取引を終えた。

■中国企業の6割がMLOpsで運用へ

IDCの予測リポートによると、2024年には中国企業の60%がMLOpsを通じて機械学習の作業フローを運用するようになるとみられる。近年は中国の各業界企業が自社の特性に合ったMLOpsの実行ソリューションを探索し始めており、中でもIT、金融、通信といったデジタル化の程度が高い業界が先行している。

インドの市場調査会社Marketsand marketsによると、MLOpsソリューションの世界市場規模は2022年の11億米ドル(約1,449億8,000万円)から27年には59億米ドルに拡大すると予想されている。

启明信息

绿盟科技

中国信息通信研究院

暴涨!又一AI概念“横空出世”

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