中国メーカー、2028年にMicroLEDスマートフォン投入か

中国のスマートフォンメーカーが2028年にMicroLEDディスプレイ搭載スマートフォンを発売する計画を進めていると報じられ、業界の大きな注目を集めている。現在はOLED(有機ELパネル)が主導するハイエンド端末向けディスプレイ市場だが、近く大きな転換点を迎える可能性がある。

中国メーカーはMicroLED搭載モバイル端末の研究開発を加速しており、28年の正式発表を目標に、早ければ27年にも試作機を披露できる見通しだ。MicroLEDは次世代ディスプレイ技術の一つで、超小型LED素子が一つひとつ独立して発光するため、各画素を個別制御でき、コントラストなどの画質を大幅に向上させられる。

MicroLED最大の特徴は圧倒的な高輝度だ。現行のハイエンド製品で使われるOLEDより最大100倍明るい表示が可能とされ、屋外でも視認性を確保しやすい。また無機材料を採用しており、耐久性が高く焼き付きも起こりにくい。応答速度もOLEDより速く、無機材料の安定性により駆動電流の制御が簡潔で、より迅速な反応が得られるという。

OLED分野とは異なり、MicroLEDでは中国企業の技術力が韓国企業を上回っているとの見方もある。韓国ディスプレイ産業協会は、OLEDの高度化やMicroLEDをはじめとする次世代無機発光技術の台頭により、今年は産業構造が急速に変化していると指摘。韓国が国家レベルの研究開発で核心プロセスと材料技術を確保できれば、競争力を維持できると述べた。

一方、MicroLEDは製造コストの高さが普及の最大の壁となっている。数百万個のチップを基板へ高精度で転写する必要があり、製造工程は非常に複雑だ。特にスマートフォンでQHD解像度を実現するには、数百万〜数千万のMicroLED画素が必要となり、工程難度とコストがさらに跳ね上がる。こうした事情から、韓国企業は中小規模のMicroLED量産設備の整備に慎重姿勢を取っている。

愛集微によると、市場調査会社UBI Researchは、世界のMicroLEDスマートウォッチ市場は今年の約1億6000万ドル(約2480億000万円)から30年には12億ドルに成長すると予測している。もし米Apple(アップル)が参入すれば、大規模投資と量産が一気に進み、MicroLEDが主流ウェアラブル技術へと飛躍する契機になるとしている。

MicroLEDをめぐる競争が激化する中、中国企業の積極的な投資と技術進展は、世界のディスプレイ市場に大きな影響を及ぼすとみられる。技術成熟とコスト低減が進めば、スマートフォンをはじめとする分野での応用はさらに広がっていくことになりそうだ。

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