「デジタル経済」のGDP比率6割へ、上海市が5カ年計画
上海市は12日、デジタルエコノミーの発展に向けた第14次五カ年計画(2021~25年)を発表した。同計画では、2025年までに上海市のデジタルエコノミーの発展レベルを全国トップ水準に引き上げ、付加価値額3兆元(約61兆円)の到達を目指すと明示。同市の域内総生産(GDP)に占めるデジタルエコノミー付加価値額の比率を60%超とする目標を示した。
デジタルエコノミーの中核産業については、GDP比率15%到達を目指す。また、一定規模以上の製造企業のデジタル化比率を80%に引き上げ、デジタルエコノミーの発展を支える新たなエンジンとする。
デジタル金融などデジタルを活用した新産業や、次世代のデジタルインフラ、スマート端末といった重要分野を巡り、データ、技術、企業などデジタル化の鍵を握る各要素の相互連動を強化。デジタルエコノミーを発展させていくための土壌づくりを急ぐ。
うち、次世代のデジタルインフラに関しては、バーチャルの世界とリアルの世界が相互に作用するプラットフォームを構築するための研究を加速。バーチャルコンサート、バーチャルスポーツなどのデジタルエンターテイメントを育成する。また、バーチャルリアリティ(VR)産業のビジネス生態系づくりを急ぎ、関連技術のブレークスルーや、ハード・ソフト一体型VR/AR(拡張現実)デバイス、3Dスキャナーなどの商品開発を奨励する。
スマート端末に相当するコネクテッドカーの分野では、コネクテッドカーの技術開発や量産化を推進するとともに、LIDER(ライダー、レーザーレーダー)、ミリ波レーダー、車載半導体、車載オペレーティングシステム(OS)、車とあらゆるモノを接続するV2X機器などの技術革新を後押しする。