米インテル、イスラエルでの半導体工場拡張計画を中止

米半導体大手のIntel(インテル)がイスラエルで計画していた250億米ドルを投じる大規模半導体工場の拡張計画について、現在は中断していることが明らかになった。イスラエルの金融ニュースサイト「calcalist(カルカリスト)」が10日伝えた。

Intelは昨年12月、現在建設中のイスラエル南部のキリヤット・ガット工場の建設計画について、当初の100億米ドルから250億米ドルに投資額を拡大すると発表。イスラエル政府から32億米ドルの補助を受ける見込みだとしていた。 当初は2028年に生産を開始し、少なくとも35年までに操業開始する予定だった。

一方、Intelは計画の中断について否定も肯定もしておらず、また理由も明らかにしていない。インテルは「この規模のプロジェクトには多くの依存関係があり、作業の遅れを引き起こしている」とだけ回答し、「イスラエルは依然として当社の主要なグローバル製造・研究開発拠点のひとつであり、この地域に全面的にコミットしている 」とだけ述べた。

Intelはイスラエルで50年にわたり事業を展開してきた。キリヤット・ガットにある製造施設を含め、イスラエル国内に4つの開発・製造拠点を運営し、約1万2000人近くを雇用している。キリヤット・ガットの施設では回路線幅が10ナノメートル(nm)の半導体を製造。ハイファに研究センターを開設している。Intelの年次報告書によると、イスラエル拠点は、資産規模でみると同社が施設を運営している国・地域の中で、米国、アイルランドに次いで3番目に大きい。

同拡張工事がいつまで中止されるかは不明だ。インテルは、Brookfield Asset ManagementやApollo Global Managementといったプライベート・エクイティにいくつかの工場建設資金の提供を受けており、資金調達で検討しているともされている。また、ハマスとの大規模戦闘が影響している可能性もある。

すでにIntelイスラエルの幹部の一部は、米オハイオ州の拠点に異動しているとされている。

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