龍芯の国産CPU、1~3月出荷量が昨年通年超える

龍芯の国産CPU「3A6000」

米Intel(インテル)のほぼ独占状態にあるCPU(中央演算処理装置)の分野で、中国企業の龍芯中科技術(北京市)が健闘している。同社が独自開発した中国国産CPU「3A5000」と「3A6000」は、今年第1四半期(1~3月)の合計出荷量が昨年通年を超えた。

中国製CPUは、同社の龍芯(Longxin)のほか、飛騰、兆芯、華為鯤鵬、申威(Shenwei)などのブランドが存在するが、いずれもx86、ARM、RISC-Vといった海外の既存のアーキテクチャを採用してきた。米国では、RISC-Vなどのオープンソース技術を使った中国の半導体開発に軍事転用の恐れがあるとして、米国企業が関わることを規制するように一部の連邦議員がバイデン政権に働きかける動きが出ている。

龍芯中科の次世代CPUである3A6000は、独自設計のLoongArchアーキテクチャを採用した「完全中国製」で、この問題をクリア。海外依存から脱却した。

「3A6000」の動作周波数は2.5GHzだが、中国電子技術標準化研究院賽西実験室のテストでは、その全体性能はインテルが2020年に発売した、動作周波数3.6GHzの第10世代インテルCore i3-10100 プロセッサーと同等のレベルであることが確認された。

台湾のパソコンメーカー、華碩電脳は昨年、インテルの第13世代インテル Core i5の動作周波数を龍芯の3A6000と同じ2.5GHzに下げたところ、両者の性能は同等だったとの見解を発表した。

龍芯中科、次世代CPUとなる「3B6600」と「3B7000」を近くローンチすると予告した。3B6600は動作周波数3.0GHzで、独自のグラフィックプロセッサコアLG200を統合した。3B7000は動作周波数が3.5GHに到達した。

龙芯中科

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