TSMC、1~3月期は4四半期ぶり増益 AI関連の需要拡大

半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)が18日発表した2024年第1四半期(1~3月)決算は、純利益が前年同期比8.9%増の2255億台湾元(約1兆703億円)となり、4四半期ぶりの増益だった。増益率は約1年ぶりの大きさ。世界的な人工知能(AI)ブーム下で先端半導体の需要が拡大を続けたことが追い風だった。

売上高は17%増の5926億4000万元だった。製造プロセス別の半導体出荷ウェートは、アップルのスマートフォン「iPhone」の販売低迷で、3ナノメートル(nm)プロセスが第1四半期の15%から9%に低下する一方で、AI向け半導体などの新製品の投入で、5nmプロセスが37%、7nmプロセスが19%となって、いずれも2ポイント上昇した。

魏哲家・最高経営責任者(CEO)は、「ほぼ全てのAIイノベーターが計算需要に対応するため、TSMCと協力している」と強調。AI学習に用いられるGPU(画像処理装置)、AIアクセラレータ、CPU(中央処理装置)といったAIサーバー向けプロセッサの売上高は、今年2倍以上増え、全体売上高の11~13%を占めると予測した。同売上高は向こう5年、年間50%のハイピッチ成長を続け、28年にTSMCの売上高全体の2割以上を占めると展望した。

一方、車載半導体は、自動車市場の在庫調整による需要の変化で、業務量は減る見通しだ。

TSMCは、今年通年の売上高は米ドル建てで前年比21~26%増を見込んでいる。

■地震の影響は30億元の損失

4月3日に台湾東部沖で発生した地震は、台湾の半導体産業にも影響が及んだ。TSMCは地震の影響により第2四半期(4~6月)は粗利益率が50ベーシスポイント低下し、30億元の損失を計上するとしている。

台積公司2024年第一季每股盈餘新台幣8.70元

TSMC Reports First Quarter EPS of NT$8.70

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